『たまこまーけっと』 二重の意味

たまこまーけっと2話で出てきた「みどりの好きな子」の話しですが、あれが誰かってのは実は二人いるんですよね。

ほとんどの人はたまこだと受け取ったと思いますが、「もち蔵?」と思った人もいるようです。で、子細に見たのですが2話のバレンタイン話と5話の臨海学校話、どちらを見ても決定的な証拠が出てこないんです。つまり、みどりが好きなのはたまこかもち蔵か、どちらの解釈でも繊細で揺れる女の子の気持ちがきちんと表現できてるんです。

面白いなぁと思っていたのですが、最新の7話を見て、さらにへぇと思ったところがあります。チョイが寝ながら枕を濡らしているエピソード、二つの意味を持たされているんです。一つがおそらくはたまこや豆大の解釈で、望郷の寂しさ。だからこそ普段厳しい豆大が「家のことはいいから面倒見てやれ」とたまこに言いつけています。一方、占いのエピソードから考えると、波の音は思い人のことのようです。

二つの意味を持たせる。あるいは解釈に自由度を持たせる事を意図的にやっているのなら、面白いですね。

『サイコパス』 あらま

『サイコパス』は、結局「支配者がサイコパスでした・チャンチャン」というところに収まりそうです。サイコパス・チェックってのは「サイコパス『による』チェック」だったんですね。

なんだかせっかくいい題材だったのに、これまで描写した人物たちの精神面を掘り下げず、最後の敵がびよーんと出てきた感じで脱力しています。まぁ、最後の敵は倒さないで終わる気がしますが。ショウゴ君を倒した後、シビラシステムの正体をばらして「俺たちの戦いはまだまだ続くぜ」か、「これから世の中が荒れるぞ」的な終わりじゃないでしょうか。

『犬はどこだ』 タイトルの意味

先日湯船につかって『リカーシブル』の感想のまとめ方を考えていた際、どういうわけか突然『犬はどこだ』のタイトルの意味が頭の中でつながってぎょっとしました。

うかつなことに主人公視点だと思っていたのです。犬探しの探偵を始めたのに、やって来た依頼は人捜し。全くもう、困っちゃうよ的な。もちろん、ストーリーにそんな気分は毛ほどもないわけで、だから当惑していたのですが。

これ、保健所の視点ですね。「犬はどこですか」と。人に害を与え、それでもおとなしくならず、繰り返し害を与える野犬はどこですか。処分します、と。そしてもちろん、ここに「保健所の視点」と私が書いたのは、この本がミステリであるからはっきり書かないだけです。読んだ方ならわかることです。

人の生活をかぎ回り、余計なことをする犬。まるでだれかさんのことを言っているようです。害を為すようなら殺してしまわなければなりません。薄気味悪い終わり方をしたこの小説がいっそう気味悪くなりました。

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『さくら荘のペットな彼女』 声優さんたち

とうとう空太が青山さんの気持ちに気付きました。というっか、まぁラノベなんですが気付くの遅いです。

どちらかというとましろ役の茅野愛衣さんの声目当てで見始めた(聞き始めた)作品ですが、青山さん役の中津真莉子さんと出会えたのはラッキーでした。前半はテンパリ声が聞きたくて毎回楽しみに見ていましたが、後半は心情をどんなふうに表現しているのか注目しながら聴いています。クリスマス回の「デート?」なんかはかわいらしくてひっくりかえりそうでした。

声優さんというと、やはり一本調子じゃなくて感情の起伏がある程度ある役のほうが聞きごたえがあって楽しいです。あー、こんな風に表現するのか、と聞く楽しみですね。茅野さんは『氷菓』の摩耶花役でその点存分に楽しませていただきましたが、前期今期と残念ながら持ち味全開の役ではないです。まぁ、ましろ役も時折ハッとするような心のひだを表現してくれて楽しみではあるんですけどね。初期の「不公平よ」はよかったですよ。

今週の「バレンタインはチョコの日よ」。青山さんが告白しました。散々空太と二人でやった読み合わせ。自転車の上で最後の読み合わせだけ「すっと好きでした」に関西の訛りが入っています。原作でもそうなっているのか、それとも音声監督が指導したのか、中津さんが工夫したのか知る由もありませんが、こういうところもアニメを見る楽しみの一つだったりします。

今週のアニメ

短い感想をいくつか、まとめて書きます。

絶園のテンペスト

構成のうまさにうなった回でした。

「お前のそれは恋だ」とじゅん兄さんから面と向かって言われた葉風は動揺しつつもおそるおそる吉野との距離を縮めます。その行為は、まだ正体不明の吉野の「彼女」の命を危険にさらす可能性があります。葉風は吉野の彼女が誰であるかまだ知りませんから、吉野の彼女が死んでいることに思い及びません。一方で、山本達は吉野が絶園の魔法使いなのではないかと疑い始めます。

ラブコメパートの使い方がうなるほどうまいです。コメディが重いストーリーにメリハリをつけるだけではなく、ラブそのものがストーリーの根幹の謎に絡む「かもしれない」とにおわせているため、笑いを誘うのに浮いている感じがしません。里の秘密が暴露する危険を冒しても吉野の傍に早くたどり着きたいと飛ぶ葉風の姿も、胸を打ちます。

一方で、これまで思惑や推理が外れまくって一人で割を食っている左門をよそに、山本さんの「もう何を信じたらいいのかわからない」という言葉が実に見事でした。すでに状況は混乱しきっています。謎がほとんど解決されないまま、不確定要素が増えている現状では視聴者も何が何だかわからないわけですが、そこに正しいかどうかわからない推理を垂れ流しつつ、登場人物にその混乱を的確に表現させたな、と感じます。

2/3終了しました。さぁ、話はどのように収束するのでしょうか。

サイコパス

一方でかなりがっかり感を味あわせてくれているのが『サイコパス』です。

「周囲の犯罪係数をコピーすることでドミネーターを無力化するヘルメット」のせいで、町は無法地帯化しています。へー、ふーん。

  1. ヘルメットで覆っているのは頭だけである。
  2. つまり、首から下は犯罪係数の計算になんら寄与しない。
  3. ということは、別に特殊なヘルメットでなくても、目だし帽とサングラスで顔を隠し、ついでに頭にアルミホイルでも巻いておけばOK。
    偽装ヘルメット、いらないじゃないですか。設定考えた人、甘すぎます。この手の話は設定が甘いと途端にしらけるのできちんと考えてやらないと。もう一つ、公安側の犯罪係数のエピソードがどれもこれも薄っぺらでがっかりしました。真のサイコパスかと期待していた弥生は、単にあこがれのミュージシャンのせいで色相が濁っただけでした。おっさんがギノザの父親である設定は全く活かされていない心底どうでもいいエピソードでしたし、アカネの犯罪係数は単に前向きだからで片づけられてしまっています。なんだこれ。シビラシステムの秘密については、さらにがっかりするんじゃないかと恐れていますが、これはまだ話が明らかになっていないので保留しておきます。

俺の彼女と幼馴染が修羅場過ぎる

「私にだって触れてほしくないことがある」

って、あんたそれで普段から人を脅迫してるやん。

主人公と「彼女」がこれほど魅力に欠け、それどころか不快な作品も珍しいです。なんで見てるかって?茅野さん待ちです。あと、千和はいいですよね。

たまこまーけっと 3話4話

1話から出ていたメガネっ子ちゃんと仲良くなる3話と、あんこを軸とした2エピソードがパックされている4話でした。

メガネっ子の朝霧さんは髪をかき上げるしぐさが映画版の長門有希を思わせますが、そんなことはどうでもよろしい。ストーリーのほうは、朝霧さんとたまこが仲良くなるという話でした。そして、本当にそれだけでした。おそらくこの回でだめだと視聴をあきらめた人もいるんじゃないでしょうか。

私のほうは今回「『たまこまーけっと』は70年代ホームドラマ的アニメだ」という仮説がほとんど確信に変わったので、相変わらずほくほくしてみることができました。朝霧さんがデラを届けるためにうさぎ山商店街を訪れるわけですが、その時に通りの店から次々の声をかけられるシーンが一つの見どころです。後で「北白川さん楽しそうだなと思ってたの」と朝霧さんは言いますが、そのたまこを中心として見た商店街の親しみやすく楽しげな雰囲気が朝霧さんには新鮮です。

OP曲「ドラマティック・マーケット・ライド」にはこんな歌詞があります。

どんなパーティーもかすむような

きらめく場所ね、ここは

確かめてみて

商店街の外の世界で生きている朝霧さんにとって、たまこが生きている商店街はまさにパーティー会場のようににぎやかで、家庭のように気楽な場所です。そういう世界観がよく描かれていました。

この回は子供に対して甘い顔をせず、仕事に厳しい父親の豆大が、若い先生の家庭訪問に緊張するという、お約束なお笑いが個人的にツボでした。もう一つ、デラが狂言回しではなく、ホームドラマの居候役として道化を演じている点もはっきりした回でした。「姉のことを悪く言うものではない」なんて、いかにもホームドラマの居候が言いそうです。

4話はあんこの幼い恋のがテーマになっていますが、並行して1話で少し紹介された、たまことあんこの母親について語られています。それはたまこにとっては母親が口ずさんでいた曲であり、あんこにとっては祭の稚児の着付けの思い出です。その思い出を大切にとっているあんこが、幼いなりに小さな子にとってのお姉さん役を演じる暖かいエピソードが印象に残ります。それにしても、「あんたさ、馬鹿でしょう」には笑いました。難しい年頃ですね。

ところで、EDアニメにたまこと王子が同じ部屋にいると思しきシーンがあるのですが、やはり妃探しがたまこに絡んでくるんでしょうね。案外レコード屋も知らない母親の鼻歌が南の島につながったりするかもと思っています。