『響け!ユーフォニアム』 特別な星

以前アニメ版『氷菓』を見ているとき、とあるシーンで凍り付いたことがあります。

「クドリャフカの順番」編でした。千反田さんと里志が廊下でばったり出会う場面です。

なんと言うことも無いひとこまですが、後ろの垂れ幕が「万人の視覚」「グローバルアクトクラブ」です。言うまでも無いことですが「万人の死角」は2-Fの出し物であり、千反田さんは2-Fの女帝、入須冬美から受けたアドバイスを上手く実行できずにあとでひどく落ち込むことになります。また、グローバルアクトクラブは里志に自らの能力の限界を嫌と言うほど味あわせることになるクラブです。

何気ないシーンに、ぎょっとするほど黒々とした暗示が配してあって驚いたものです。さて、『響け!ユーフォニアム』。

以前のエントリーでも指摘しましたが、麗奈と久美子が山に登るシーンでは二つの明るい星が背景に描かれています。

祭りの最中に山に登る二人を、街の灯から離れて空に浮く星で表しています。「私、特別になりたいの」という麗奈に魅入られるように一歩踏み出す久美子を暗示しているようです。

ところが、久美子は第12話で、一部演奏から外されてしまいます。みどりはそれを「久美子ちゃんは月に手を伸ばしたのです」と、その努力をたたえます。

たとえ届かなくても、手を伸ばすことが尊いのだと。

さて、その回の終盤。学校に忘れていた携帯電話を回収した久美子は、不在着信にずらりと並ぶ麗奈の名前を見て、思わず電話をかけます。そのシーン。

空に浮かぶ月。でも、その側に居る特別な星は一つだけ。

非常に切ないシーンでした。滝先生に言われて練習を続けることを決意した久美子ですが、現状は悲痛なほど理想から離れています。第12話は久美子がユーフォニアムへの気持ちを自覚する重要な回でもあり、一方で音楽を題材にした作品らしい厳しさも描いていました。

早く久美子が月に近づけるといいですね。

広告

『響け!ユーフォニアム』 第12話

響け!ユーフォニアムは退屈な作品でした。主人公は特に苦労することなく友達を得、苦しむことなくサンライズ・フェスティバルで帰属意識を獲得し、せっかくの音楽作品なのに大して悩むことなくユーフォニアムを吹いています。

そういう前半に感じたことが、今はもう大ぶりの金槌で悉く打ち砕かれてしまった気分です。主人公が得た友人は強烈な個性とそれを裏付ける努力をしている子でした。苦労の上で勝ち取ったオーディション結果を、先輩は素直に喜んでくれました。そしていま、久美子はユーフォニアムを上手に吹けるようになりたいと苦しみ抜いています。物語は終盤に向かうにつれ、いっそう激しさを増してきました。いろいろな事が頭の中を飛び回って、なんだか感想が空中分解してしまいそうです。

再オーディションを終えて一息つくと思いきや、吹奏楽部の練習は過酷さを増していきます。それはさながら大きくなっていクレッシェンドのようです。その激しい練習の中で、久美子は滝先生から新しいパートで吹かなくて良いと言い渡されます。

この事件には、いろいろな事を考えさせれました。私はあすかというキャラクターが嫌いなのですが、この件でも彼女は徹頭徹尾無関心です。たまに気が向いたら久美子への指導を楽しんでいる描写がありましたが、基本的に彼女は先輩として久美子を指導するといった風ではありません。彼女は変わり者を通り越してサイコパスとしか言いようのない不快さを常に放っていて、どうしてこんなキャラを投入したのか理解に苦しみます。彼女のキャラクターをここまでひどくしなくても、物語は問題無く面白い者に出来たはずです。

一方で、久美子の挫折を終盤に描くという構成のうまさには舌を巻きます。前半に描けば、それはあっさりと乗り越える描写になったでしょう。しかし、中盤からゆっくりと厳しさを増してきた練習は、今や見る側にも激しい緊張をもたらしています。滝のように流れる汗、繰り返し発せられるダメ出し、流れ落ちる鼻血、テープでぐるぐる巻きになった指。吹奏楽、という言葉のイメージの正反対に位置する激しさが作品を支配する今だからこそ、久美子を襲った挫折感の大きさが観る者によく伝わってきました。

学園ものの作品でのんびりと吹奏楽の練習がBGM代わりに使われることは割と多いように思えます。しかしこの番組はそのベールをめくり上げて、その向こう側でそれこそ血と汗を流しながら練習する部員達の姿をよく描いています。

夏の強い光の下、日陰でなお激しいコントラストを放つ久美子の練習風景が印象的な回でした。

『響け!ユーフォニアム』 二人の二律背反

11話で行われた再オーディション。特別にあつらえられたステージ上で行われた演奏の後、香織先輩はソロパートを吹くことをよしとせず、麗奈にソロパートを譲りました。このシーンは二人の単純な勝ち負けでは無く、これまでストーリー中に織り込まれた複雑な風景や人間関係を集約するものだという見方について、11話の感想にも書きました。

ただ、集約されたものが複雑だっただけでは無く、結果も複雑だった事はきちんと書いてておきたいと11話の感想を書いた後に思いました。一緒に書けばいいのですが、私が書くとまとまりが無くなるのでこうして別エントリにしました。

興味深いのは、香織と優子がそれぞれ異なる二律背反を抱えていたことです。

「大好きな先輩」と「良い後輩」

初登場時から、優子は不穏な空気を振りまく存在として意図的に描かれていました。

トランペット部の紹介時に先輩を中心とした仲良しチームであることを強調する姿は、観る人によっては排他的な空気を感じたかも知れません。また、彼女は常に香織の傍らに居続け、一度は夏紀から「邪魔だって」と揶揄されたシーンもあります。さらに麗奈加入時のペット演奏を見ておののく姿や、麗奈自身の孤高を好む性格とあいまって、勢い、優子には不安要素としての役割が強く意識されました。

ただ、「去年の出来事」が優子自身によって明らかにされたことによって、彼女の行動の表層だけでは無く、抱えていたであろう苦悶と願いも理解することができるようになりました。それは悪意では無く、非常に純粋な願い故の苦悶と言えるものです。

彼女の立ち位置は突き詰めると非常に単純で子供っぽいものです。

「大好きな先輩のトランペットを聴きたい」

それは純粋なあこがれであり、一方で「去年の出来事」でソロパートを理不尽に奪われながらも部の調和のために下げなくていい頭まで下げた先輩が今年こそ報われてほしいという気持ちです。そして全てがわかった現在から見返してみれば、「先生と香坂さんは知り合いだからオーディション結果にひいきがあるのではないか」という糾弾は、一概に身勝手あるいは理不尽な文句と言い切れない色彩をおびています。彼女は去年のような理不尽なソロパート選出ではなく、きちんとした実力でソロパートが選ばれることを願っていました。ところが、不穏な噂が耳に入り、彼女は「選考そのものが不正なのではないか」という疑念を振り払えなくなります。単なる部員の立場であれば、噂を鼻で笑ったかも知れません。しかし、先輩が再び理不尽にもソロパートを外されるということは、彼女には耐えられないことでした。そのため、当の先輩に留められていたにもかかわらず、激情にかられるように先生に問いただしてしてしまいます。

たんに激情に任せて噂をあおるだけの人間であれば、楽だったかも知れません。ところが、先輩へのあこがれは優子自身を別の方向で縛り上げています。何より部の雰囲気が悪くならないように気を遣っていた香織先輩は、優子自身にも「いじめや無視をしちゃだめよ」とたしなめています。良い後輩でありたい彼女は、その言葉を母親の言葉のように素直に受け入れています。それはもちろん良いことなのですが、自身が行った糾弾のために部の雰囲気が悪くなった事を受けて、彼女は非常なショックを受けています。部の片隅で小さくなって座っている描写がありましたが、あの姿は「先輩が望む仲の良い部活」を自分が乱してしまった事への激しい動揺の表れでしょう。

結果的に、彼女は大好きな先輩の夢は叶うべきだ!という激しい想いと、先輩のためによい子でなければならならないという気持ちの板挟みになります。そしてそもそも前者故の行動である不正の糾弾は、何も根拠の無いものでした。さらに、不正も何も、麗奈が実力のある奏者であることは彼女にも重々分かっています。話が話だけに先輩に泣きつくことも甘えることも出来ない苦しみだけが優子にのこされていました。

オーディション当日、脅迫でも無く、いじめでも無く、麗奈に頭を下げた優子の姿が印象的でした。この時点で「公正な部」に対して彼女は背を向けています。彼女の中の二律背反は余りに大きくなりすぎて、その結果、彼女は良い子である事から手を離したのでした。

「ばれたら、私のせいにしていい」

という言葉が切ないです。そうなったら、先輩との間も壊れるかもしれないのに。それでも彼女は先輩がソロパートを手にすることを望みました。

「吹きたいパート」と「部のありよう」

再オーディション。香織がステージの上で滝先生に向かってソロパートを

「吹きません、吹けません」

と答えたとき、「去年の出来事」を知っていたのは二年生、三年生と麗奈、久美子でした。そのうち何人がきちんと理解したのかはわかりませんが、香織はこの短い時間で吹きたいパートを吹くという自分の希望と、公正でもめ事の無い部活を天秤にかける事を迫られていました。おそらく滝先生はそれに気付いていなかったでしょう。

香織にとっての理想は、実力のある人が大事なパートを吹くことのできる、もめ事の無い部活だったと思われます。その中で公正にソロパートを勝ち取る。それ自身は、本来特別では無いはずです。ただ、「去年」は部活が荒れており、実力のある彼女はソロパートを吹けずおまけに部活の雰囲気を良くするために奔走する羽目になっていました。

時が経って今年。部の雰囲気は良好。なのに化け物のような新人が入部してきます。なんとしてもソロパートを吹きたかった彼女は、自分より実力で勝る麗奈の登場で目標達成が怪しくなってしまいました。

「あなたがソロを吹きますか」

この言葉を、先生の問い以上の重みをもって香織は受け止めています。松本先生が言った

「音楽というものはいいですね。嘘をつけない。いい音はいいと言わざるをえない」

という言葉のとおり、オーディションの結果は部員が動揺するほど麗奈と香織の技量の差を明らかにしました。その結果を受けて香織が出した答えは

「吹きません。吹けません」

でした。

何処まで彼女が自覚的だったかは分かりませんが、優子にははっきり分かったでしょう。このとき、香織は三年性として「公正でいじめや無視の無い部活」という自分が欲したものを後輩達に手渡しています。

晴香によれば香織は吹奏楽部のマドンナ、と呼ばれているそうです。聖母と呼ぶにふさわしい、強さと優しさにあふれる決断でした。

『響け!ユーフォニアム』 第11話

今回はいよいよ香織先輩と麗奈の再オーディションです。最後のチャンスを前にトランペットの練習を繰り返しながら、部の平穏に今まで通り心を配る香織先輩。一方、麗奈のほうはそうやって気を遣う先輩相手だからこそのぶつかりにくさを抱えていました。

もう間もなく最終回なのですが、あらためて振り返って見ると怖ろしく複雑な作品でした。先週指摘したように、再オーディションは番組当初から上級生の間に横たわっていた「去年の出来事」と、麗奈-久美子間で閉じていたストーリーが接触する話でもあります。去年の出来事は放送前半で後藤先輩がいらだったように、新入生に話すのが憚られるようなたぐいのものです。そのため、久美子や麗奈はその話の詳細を知りません。

加えて、この作品ではそれぞれの登場人物が見ている景色が違います。そのため、登場人物の関係それぞれを通して浮かび上がる背景も全く異なります。例えば、あすか、香織、晴香は三年生の三人組ではありますが、別々の事を考えながら吹奏楽部とかかわり、そして、あすかと香織、香織と晴香、晴香とあすかが作るストーリーはそれぞれ異なっています。なにより、三人一緒のシーンがほとんどありません。そういった複雑さが低音パートの久美子グループ、久美子と麗奈、夏紀と久美子、夏紀と優子、優子と香織、優子と麗奈といった関係にも言えます。

想像するだけで気が遠くなるほどの複雑さですが、それらが混乱せず、最終的に「再オーディション」という引力の元にすっきりと集まってくる見事さは、この作品の原作者である武田氏と、シリーズ構成の花田氏の力量によるものでしょう(私は原作未読です)。

第11話一つとっても見所が怖ろしく多いため、中々すべての感想を書くことが出来ません。必然的に、いくつか印象的なことを散文的に列挙するのが精々ということになります。自分の筆力のなさが恨めしいです。

さて。ざっと、見回すと、先ほど挙げた「去年の出来事」が麗奈に決定的な動揺を与えたことが、今回の一つの転回点になっているようです。

優子が香織に見せるあこがれのようなものは何度も描写されていましたが、トランペットのソロを先輩に吹いてほしいと願う気持ちの背景は、結局の所上級生が語りたがらない「去年の出来事」でした。馬鹿なことを考えるなと夏紀に釘を刺された優子でしたが、結局の麗奈と一対一で向き合い、再オーディション当日に去年の出来事を麗奈にぶちまけるのでした。

香織は昨年、部の誰よりも上手に吹いたのに年次順でろくすっぽ練習もしない三年生にソロパートを奪われています。そして今年は「正々堂々とオーディション」。あくまで麗奈に「お願い」と頭を下げる優子ですが、心の中で「不公平だ!」と悲鳴を上げんばかりになっているのは明白です。比較的悪役的な描写が多かった彼女ですが、昨年は「年次」といわれて涙をのみ、今年は「実力」と言われて涙をのみそうになっている香織への気持ちは誰も非難することが出来ないものです。

一方、麗奈はこの話を「私には関係ないですよね」と突っぱねますが、明らかに内心動揺しています。それは、香織が麗奈にかけていた「同じ部員としてコンクールにがんばろう」という言葉の重みを、優子によって思い知らされたからでしょう。

麗奈の動揺は久美子によって救われます。久美子らしくない、しかし久美子が麗奈をよく理解していることを思わせる「愛の告白」で麗奈は息を吹き返しました。このシーン、直前の「このままでは私が悪者になる」と言ったときの麗奈らしからぬ弱々しい立ち姿と、直後の振り返って歩き出すシーンの風を切るような姿の対比がとても印象的です。また、このシーンは山の頂上で久美子が麗奈に指針をすがったシーンとの対比にもなっています。

一方、晴香は部の仕事を抜け出して香織のところにかけつけます。話した内容は「なぜあすかなの?」。泣き虫回のときの「あすか派のくせに」から続く、軽い焼き餅の言葉でした。香織はあすかという気持ち悪いくらい何でもお見通しな友達を見返したいのだと答えました。思い返せば、泣き虫回で香織はあすかを「頭いい」と評していました。晴香は前回、あすかに頼らず部をまとめようとしましたが、今度は部を後輩に任せて友人の元に駆けつけています。こういった思い切りの良さは彼女の成長の証と言えるでしょう。そしてもう一つそういえばですが、香織は晴香を「勇気がある」と評していたのでした。

再オーディションのシーンは難しかったはずです。が、スタッフは見事にこのシーンを作り上げました。今考えてみれば、これまでの練習風景の繰り返しは吹奏楽の素人である視聴者に対して「聴けば分かる」再オーディションを映像化するためだったのでしょう。

二人の演奏は素人が聴いても差が歴然としていました。そして、歴然としているからこそ、それでも先輩へ拍手を送る優子、部より友人を優先させる晴香、夏紀が揶揄したように中立を決め込むあすか、動揺して意見を表明できない部員(サファイア川嶋どうした!)、約束通り麗奈が吹くべきだと拍手を送る久美子、しがらみ無く麗奈に拍手を送る葉月の姿が際立っています。もし、聴いて分からない差であったら、この拍手のシーンはそれほど印象に残らなかったでしょうし、先生が香織に「あなたがソロを吹きますか」と聴いた時の部員の動揺も、視聴者にはぼやけた形でしか伝わらなかったでしょう。

「聴けば分かる」全員参加オーディションでの先生の問いに、香織は「吹かないです。吹けないです」と答えています。実力差がはっきりしている以上、実力のある人が吹く。そういう部であるべきだし、そういう部であってほしかったという彼女の願いが痛いほど伝わるシーンでした。そしてそれをくみ取って先生も麗奈に「中瀬古さんでは無く、あなたが吹く。いいですね」とたたみかけています。個人戦の勝者ではなく、吹奏楽部の中の一員として、吹けない先輩の分も背負えというメッセージでした。

『響け!ユーフォニアム』第11話は、それぞれの思いや部のあり方までをクライマックスに凝縮して、なおかつそれを理解させるために視聴者を周到にトレーニングするという驚くべき完成度の回でした。個人的にアニメ史に記すべきすばらしい回であったと感じます。

『響け!ユーフォニアム』 第10話

このアニメ、登場人物の動作や仕草がおもしろいですね。文脈にあった仕草がさりげなく表現されていて楽しいです。例えば、葉月が久美子に秀一との仲を聞きただした後、逆に聞き返されて思わず足を引っ込めるシーン。あるいは、今回はぐらかしをはねのけて久美子が本心を話すよう迫ったときに、あすか先輩がペットボトル(いたずら心の暗喩)を横に置くシーン。くどくどと前に出てこない分、話に没入できます。

さて、今回はオーディションへの揺り戻しでした。トランペットのソロパートをもぎ取った麗奈ですが、香織先輩を慕う優子の暴走で良からぬ噂が広がり、部内の雰囲気はがたがたになります。有効な手を打てないでいた滝先生ですが、最後に再オーディションを宣言します。手を上げたのはトランペットのソロをとりそこねた香織先輩でした。

クライマックスをこの形で持ってきたか!という驚きをもって観ました。麗奈は主人公である久美子の友達ですが、入学前からの因縁で久美子がずっと気にしていた子です。ここ数話でぐっと距離感が詰まってはいましたが、基本的には二人の間の話です。対する香織先輩は三年生三人組の一人です。彼女達はすでに部活を辞めた葵同様に、昨年部内で起きた騒ぎをま心情的にだ引きずっています。その、引きずっていること自体が晴香や香織、葵の物語として常に現れ、これもこの番組の一つの糸として働いていました。

その二つのストーリーの登場人物がクライマックスで激突です。いずれも多少粘りけのあるストーリーですが、最終的に向かい合う二人はそんなこと関係無しにトランペットの技能だけで正面からぶつかるつもりです。なんてすがすがしい話でしょうか。物語の中の季節進行に合わせて随分湿気の高い雰囲気になっていました。ところが、今や二人はそんなことみじんも感じさせません。

そしてもう一つ注目したいのは、ぶつかる二人がお友達ごっこ抜きであることです。麗奈ははじめからそのつもりでしたが、挑戦する香織先輩のほうも、優子がどうのということや、部内の雰囲気がどうのといったことを振り払って、自分の問題としてトランペットを吹くつもりのようです。

お見事と言ういしかない手際で話が展開しています。

振り返って見れば、いくつもの伏線があります。

今回先生は全員の判定によるオーディションを宣言しています。それは、生徒が噂をどう思っていようと、演奏を聴けば納得するはずだという自信があるからでしょう。『納得』という言葉は今回何度も出てきたキーワードですが、(生徒は正直に自分が思った通りに判定するだろうか)という観る側の疑問に対して、実は伏線があります。麗奈がトランペットパートに入ってきたとき、その演奏を聴いて香織先輩と優子がたじろぐシーンがあります。また、フェスに向けて、単独パートだけ演奏させたシーン、先生が「ダメだと思った人」と行った時に、生徒は素直に手を上げています。音楽は聴けば分かる。嘘はつけないのです。そういう伏線があればこそ、次回の勝負は余計なもの抜きになるでしょう。

泣き虫とサブタイトルを打たれていた晴香先輩の成長が描かれていたり、夏紀が過去にとらわれていた久美子を救い出したり、一時的に久美子と麗奈の立場が逆転したりと、濃い内容が印象的に展開する回でした。