『響け!ユーフォニアム』 最終回

最終回が終わりました。

ゆっくりと強く激しくなっていったストーリーが、最終回でふっと静かなストーリーになったので驚きました。しかし、これがもう、まさに構成と脚本の勝利と言うべき回であったのは、実にこの作品らしい最終回でした。

なんと言ってもこの回では台詞が少ないことが印象的です。それはもちろん本番前、そしてコンクールの緊張感を出すためでもあるのですが、それを可能にしているのがこれまでの濃密なストーリーです。

たとえば夏紀がつきだした拳に久美子が拳を会わせるシーンがあります。この短いシーンにはコンクールに出ることの出来ない夏紀が久美子に託す気持ちや、来年は一緒に出ようという二人の誓いが込められています。それが台詞なしでわかるのは、それらが重要なエピソードとして語られているからです。

また、『三日月の舞』のトランペット・ソロパートも印象的です。ソロ演奏中にカメラのピントが麗奈から香織に映るのですが、このカメラワークで視聴者の意識は自然に麗奈にソロパートを託した香織の気持ちへと誘導されます。そして次のシーンの香織の優しげなほほえみ。演奏中の一切台詞が無いシーンでこれほどの感情を描ききるころができたのは、作画もさることながらこれまでのストーリーが大変高いレベルで提供されていたからです。

この作品では、放送開始時の演奏レベルの低さが滝先生の指導と部員の努力でゆっくりと向上していきます。その結果がたとえば三話のひどいチューニングと最終回のそろったチューニングの差に現れています。そして、コンクールに向けて音がそろっていく様子は、部員の気持ちが一体化していく数々のエピソードと歩調を合わせています。お見事、というほかない構成でした。

『響け!ユーフォニアム』は、かわいい絵が動くという意味のアニメーションにとどまらず、高度な構成のストーリーとそれを支える作画が見事に噛み合った非常にすばらしい作品になりました。

スタッフの皆さん、お疲れ様でした。そしてありがとうございます。

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