信じられないほどレベルが高い『監獄学園』

今期一番の馬鹿アニメと前評判で、やはり今期一番と思える馬鹿アニメだった『監獄学園』は、ストーリー、効果音、演出、作画、演技いずれも怖ろしくレベルが高い作品に仕上がっています。

『バクマン。』に「馬鹿なことを大まじめにやるから面白い」というセリフがありますが、この作品はまさにそれです。そもそも男子生徒のバカバカしさは目を覆わんばかりですが、いつの間にやらセリフは怖ろしくかっこよくなっています。ガクト、惚れるわ。

良かったシーンを挙げるときりが無いのですが、あえて挙げるなら最終回手前で花とキヨシが対峙するシーンです。ここは非常な緊迫感を以て行われる心理戦とやってることのバカバカしさ(優位に立つためにパンツを脱ぐ)のギャップが笑えるのですが、ここに至るまでキヨシとその仲間が積み上げてきたもの、花がため込んだ屈辱が背景にあって、息を呑むような緊迫感です。

そして結局正気に戻った花が号泣し、そこからキヨシの唇を奪うのですが、このシーンこそ「純情」でかつ「狂犬」である花というキャラが活きています。

「大事なものを奪った憎いお前の大事なものを奪ってやる」

自分のファーストキスを投げ出して相手のファーストキスを奪い取る。思い出すのは『JoJoの奇妙な冒険』のDioですが、花にはあんな精神的優位性はありません。彼女はむしろ地獄の底から手を伸ばしてキヨシを引きずり込む幽鬼の心情でしょう。

この倒錯した狂気を描くために重厚で深刻なBGMを流し、その下に初心な少女の「ん、ん」という声をかすかに滑り込ませた音響の腕には舌を巻きます。

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