『Re:Creators』 第6話 まみかの義

Re:Creators、物語のキャラクター達が創造主達に干渉することによって物語を『再創造(レクリエイト)』しようとしている話ですが、キャラクター達が『創造主達について(Re:クリエイターズ)』考える、タイトルどおりの話になるのではないかと勝手に予想しています。

さて、前回の感想で脚本に完敗と書いた訳ですが、今回も同じ感想です(笑)。おもしろい。キャラが立っているとか立っていないとかじゃなくて、「この設定のキャラ」と「この設定のキャラ」だから、会話がこうなるだろうという非常に練りこまれた脚本を見せ付けられました。

今回はなんと言ってもアリステリアとまみかの絡みがすばらしかったです。

まみかは登場時には一種際物扱いされていました。現代社会に魔法少女が力を振るうとどうなるかという最高にキャッチーなエピソードで登場した後、その甘っちょろさをセレジアに散々なじられました。このシーンはセレジアの見せ場で、風になびく髪が彼女の荒々しい決意を美しく語っています。セレジアの引き立て役になったまみかですが、おまけに乱入した弥勒寺優夜に一笑されています。なにが優也ですか、ぜんぜん優しくないです。

軍服の姫君もまみかのことをチョロインくらいにしか思っていないのでしょうか、絡みがありません。

が、まみかは他者とのかかわりで輝くんですよね。がちがちに『義』だけを前に出すアリステリアは、最初にまみかを救ったときに微笑みかけます。おそらくは、「危機に瀕している弱きもの」を救うという彼女の義の心がそうさせているのでしょうけれど、それゆえにまみかを横に置くことで、アリステリアの義がセレジアのそれと本質的に異ならないことがよくわかります。

まみかとアリステリアはいろいろなところが対照的です。たとえば住んでいる世界を見てみれば、まみかは物質的に恵まれた現代に近い世界に住んでいます。アリステリアのそれはおそらくは困窮にあえぐ世界です。それをビニール袋のやり取りで鮮やかに描き分けて見せた脚本を賞賛せずにいられません。

アリステリアはその世界の違いに自覚的で、6話でもまみかの世界について聞いています。このシーンはいいですね。民草の救済だけが自分の使命であり、それ以外はどうでもいいといった風のアリステリアですが、その彼女がまみかにだけは使命を超えて心を寄せています。そして、まみかとの対話で、自分の義には心がかけているのだろうと自覚しています。

味方であるはずのおっさんにまで「力を振るえないならば黙っていろ」と散々な言われようのまみかでしたが、今回ついに「元の世界に戻って友達に胸を張れないようなことはできない」とメテオラを助けます。

まみかは「よいことをする」というある意味幼稚な、しかし高潔な気持ちを貫いています。これは目的のためには手をも汚すという決意をしているアリステリアに突き刺さるはずです。それゆえに、まみかには姫君の軍勢にとどまってほしいのですが、どうなるでしょうか。

前回、菊地原さんがボタンをはずす演技に舌を巻きましたが、今回は会話に魅せられました。

 

『月が綺麗』 第5話

初恋によって景色が変っていく二人を描く本作。

初々しい二人をめでているだけで十分楽しいのですが、今回は副題が『こころ』です。それだけで(やめてくれ!)と思ったわけですが、最後まで観てやっぱり3角関係であることに絶望しました。

千夏ちゃん、いい子なのであまり苦しい話に巻込んで欲しくないのですが、公式サイトのキャラクター設定をみて絶望感を深めています。

人の持っているものを欲しがるところがあり、悪気無く「いいなー、ちょっとちょうだい」ということがよくある。

なんだよこの設定!だから大人は嫌いなんです!

『正解するカド』 第5話 発想に驚く

第一話こそ何処に向かうのか不明でしたが、ここに来てどうやら政治・思想アニメかな?と思い始めました。

事実上無限の電気エネルギーを生成する「ワム」。全数を国連管理下に置くよう要求した国連安保理決議に対して、ヤハクィサシュニナは首相に会談を求め、急場をしのぐ秘策を授けます。

「保有するワムは全数国連に渡す。ところで、これがワムの作り方です」

なるほど政治的にOKなわけですが、ここに来て設定のうまさに舌を巻いてしまいました。電気って、大量破壊兵器に直結しないのです。毒ガスや核兵器と違って、大量の人を一挙に殺そうとすると、電気的兵器というのはそれらの人が存在する空間と同程度に大きくならざるをえません。あり得る手段としては殺人ビーム兵器くらいですが、これは国家レベルの開発能力が無いと作り得ない兵器です。そうすると、

「世界のあらゆる所に一斉に大量破壊兵器を手にしたテロリストが現れる」

という話にはなりません。あくまで危険なのは国家ということになります。なので、無尽蔵の電源が与えられると、危険よりも遙に多くの救いが地上にもたらされることになります。

「無尽蔵の電力を供給できる素子、と電力供給素子を無尽蔵に供給できることは違う」

こんな簡単な事でも、気がつくためには怖ろしく自由な発想が必要です。いやー、まったく脚本家はどんな頭をしているのでしょうね。

作品世界ではワムによって一挙に経済構造と貧富の格差が塗り替えられることになります。

「衣食足りて礼節を知る」

が、本当なのか口だけなのか、人類が問われる話になります。ああ、楽しみ!

『Re:Creators』 第5話 脚本に完全敗北する心地よさ

Re:Creatorが面白いです。

先にも書きましたが、もともとこの作品にはそれほど期待していませんでした。しかしながら、完全に打ちのめされながら観ています。めちゃめちゃたのしい!

5話では話が急展開します。4話の終わりでまたまたキャラクタが登場しましたが、5話冒頭で彼を訪ねてきた一同が急襲されます。襲ったのはなんと自衛隊。連れて行かれたのは何と何と内閣直属の緊急対策本部。

「自衛隊が突然襲ってくるが、平和的話し合いを望んでいる」

という、アクロバティックな状況を、ごく自然に理由付けした脚本に完敗です。そりゃそうだ。完全に人間を越えた能力を持つ存在が来ていることに対して対策を練っていたところ、人類を越えるテクノロジーによる重機がやってきたのですから、緊急出動せざるを得ません。菊地原さんによる「政府視点での経緯」が、物語の背景に一層情報をあたえていて、大変自然な解説となっていました。

こういう筋書きで出てくる政府は無能か有能かが極端ですが、このストーリーでは極めて有能な内閣でした。代表者一人に権限を十分与えて耳を傾ける組織というのは、その時点で大変有能といわざるを得ません。前線の指揮官(階級が低すぎると思った)が

「私にはその権限が無い」

といったことと対照的に、菊地原さんが居並ぶ大臣(?)を前に独断で次々と話をつけて行ったシーンが印象的でした。

私はこの作品ではメテオラが一番好きなキャラクタです。飄々とした屁理屈を使うかと思えば、賢く誠実な性格の持ち主もあります。メテオラと菊地原女史の会話は、濁りの無い、美しい精神による、目的を一にした話し合いといった風で、心地よく観ることが出来ました。

それぞれノーヒントであったことから、軍装の姫君と1話冒頭の自殺者は関係があるのでは無いかと考えていましたが、今回ついに結びつきました。次回は悲しい話になりそうです。