『メガロボクス』第6話

おっちゃんの愛弟子だった新垣とジョーの対戦。

リングの上の新垣とジョー、リングの外の新垣とおっちゃん、ジョーとおっちゃんをモンタージュした脚本が秀逸でした。また、新垣さんの声を担当した田村真さんの演技が光っていました。特に自殺未遂シーンの恐怖で呼吸が早くなる場面がよかったです。

この作品は登場人物が語る話と、語らずに絵だけで描かれる話がうまく重なりあっており、その点でも今回はとても印象的でした。

新垣が重症を負った建物の中を蝶々が飛びます。この蝶については何も語られません。戦場で負傷して帰ってきた新垣は『明日のジョー』において朝鮮戦争で心の傷を負った金竜飛に相当しますから、新垣の蝶は金の舞舞(チョムチョム)へのオマージュでしょう。しかし、新垣は蝶について何も語らず、背中の蝶の刺青は彼自身がまとう死のイメージのようです。

前に進むためにボクシングをすると言いながら、色濃い死と諦めをまとう非常に印象的な人物でした。

手書きのアニメでありながら挑戦的なカメラワークを導入しています。一方で、ダウン時にリングのテクスチャが変わるなど今風の演出ですが光ります。大変迫力のある回でしたが、インファイト描写にこだわりすぎて、パンチが酔っぱらいの喧嘩っぽくなったのがちと残念。

ジョーはあと1試合勝てばメガロニア出場ですね。

ところで、メガロニアで初戦に当たりそうな人物が出ていました。『ブラディ・ライオン』ことバローズ。あからさまにやられキャラっぽい人物ですが、ここに来て作中で重要な情報が。

「中量級が有利とされるメガロニアにあって」

そっかー!って感じです。ギアをつけるから中量級でもヘビー級なみのパンチ力を放つことができる。だったら、フットワークが軽い中量級のほうが有利に決まっています。ヘビー級は攻撃が空回りしかねませんからね。ですから、ユーリ対バロウズならユーリが優勢です。

ところが、ジョーはギアを持っていません。いくらフットワークが軽くても当てるパンチがバロウズにダメージを与えないのであればジョーが著しく劣勢になります。

どうなるのでしょう。

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よりもいに関するつぶやきまとめ

Twitterで呟いていることをまとめておきます。

まず、結月まわりから。

次に日向。

最後はキマリ。

 

茅野愛衣さんの故人役について

最近、「かやのん故人が多いなぁ」と思っていたので、ちょっと調べてみました。

個人的なメモですがネタバレ含みますのでご注意を。

  • 『あの日見た花の名前を僕たちは未だ知らない』めんま役
  • 『天体のメソッド』古宮花織役(未視聴)
  • 『学校ぐらし』
  • 『甘々と稲妻』犬塚多恵役
  • 『宇宙よりも遠い場所』小淵沢貴子役

あと、元気に登場して途中で他界する役としては

  • 『サイコパス』大久保葦歌役
  • 『Lost Song』コニス役

出演している番組も未視聴が多いので、このほかにも探せば出てきそう。Lost Songはコニス&メルの二役ですが、どちらもダブル・ヒロインのそれぞれにとって大切な役(しかし恋人ではない)ので、メルも死亡フラグが立っていると感じています。

『リズと青い鳥』

映画『リズと青い鳥』を見てきました。

原作は武田彩乃氏の『響け!ユーフォニアム』。テレビアニメにも登場した鎧坂みぞれと傘木希美を主人公とした話です。TVアニメの中でもこの二人の関係はひどく危ういものでしたが、その2年生の時のエピソードを踏まえて3年生になってからの物語です。

以下ネタバレ感想。

3年になってからも、みぞれの性格は相変わらずです。ほとんど人とは話さず、希美の後ろをついて歩くばかり。希美の性格も相変わらずで、明るく誰とでも仲良く、もちろんみぞれとも仲良し。そんな中、コンクールの課題曲となった『リズと青い鳥』の解釈から、みぞれと希美の関係が少しずつ変化していきます。

1時間半ある映画ですが、全編息を詰めて見ていたような印象が残っています。とにかく映像もストーリーも繊細で、下手をするとこちらが見ているせいでもろく崩れ去ってしまうのではないか感じてしまうほどです。画面の色合いは明るい中間色を多用した爽やかなものが主体でしたが、とにかく触れることなぞとんでもない!といった気持ちで見ていました。

TVアニメのストーリーでは前年のトラブル時に部を黙って去った希美のことをみぞれが引きずり、一層殻に引きこもってしまったというエピソードが語られています。その後日談にあたる本作では表面上は二人は仲良くなったものの、みぞれは再び希美が去ることを恐れています。それこそ、その瞬間が今ここで来てもおかしくないと常に恐れているかのようです。そのため、みぞれは童話『リズと青い鳥』において、主人公の少女リズと自分を重ねてしまい、「青い鳥を放すという気持ち」が理解できません。そしてその物語に対する拒絶が、「リズと青い鳥の対話」だとされるパートで、みぞれのオーボエと希美のフルートのかけあいをギクシャクさせます。

いくつもの印象的なシーンがありましたので列挙するとキリがないのですが、新山先生がみぞれの気持ちを黙って聞くシーンが印象的でした。この部分で先生はああ解釈しろ、と天下りに押し付けるのではなく、そっとみぞれの気持ちを引き出していきます。いい先生ですね。

結果的に

「リズをみぞれに、青い鳥を希美に重ねていた」

という二人の解釈はひっくり返ります。みぞれこそが大空に羽ばたき、希美はそれを見送るべきなのだという結論に達した時、みぞれのソロパートは他を圧する高みに到達します。しかし希美は自分の実力の程を知ってしまうのでした。周囲からはフルートのエースと言われても、自分自身がその限界を知っています。

終盤、理科室でみぞれが希美を抱きしめるシーン。互いの思いを全部吐き出しあったにもかかわらず、みぞれは希美の人間として良い所をほめます。その時のさまようような希美の瞳の動きが印象的でした。これを程自分のことを大好きでいてくれるみぞれからすら、自分の音楽を褒める言葉は出てこない。そういった辛さを感じさせるシーンでした。そしてみぞれの良い所ではなくみぞれの音楽の良い所を褒める希美。二人は最後まですれ違っています。

ハッピーエンドならいい、と繰り返す希美の言うとおりハッピーに終わりました。しかし、もう一度書きますが最初から最後まで儚いガラス細工を見ているような映画でした。

おすすめ。

 

藤堂吟と小淵沢報瀬

もう放送も終了しましたが、少しだけ。

以前書いたことですが、藤堂吟は小淵沢報瀬にとって『母の死の象徴』として登場します。一方、こちらも書いたことですが藤堂吟にとっても小淵沢報瀬は『友人の死の象徴』でした。二人とも三年前の小淵沢貴子の死を振り切ることができておらず、それ故に南極を目指していました。作品中ではこの二人の関係の変化も見所でした。

ヒロインの一人である報瀬を見ると、この作品を通して彼女は視野が狭く決して引かない少女から、友達思いの人間へと成長していきます。その過程で、最初は『自分』しかなく、やがて『友達』が彼女にとって重要になるわけですが、さらにその先として『大人達にもまた友達がいる』ということに気づいています。自分の周囲への視野だけで終わらせない、この成長の描写は大変すばらしいものでした。

そしてその先にあったのが『藤堂吟もまた素晴らしい友達を持っていて、その人を失ったのだ』という気付きでした。この気付きは非常に注意深く描かれています。視聴者へは吟が味わった喪失が繰り返し提示されています。ところが、こういったシーンは4人娘は明確には目にしていません。『南極恋物語(ブリザード編)』で吟が肩をふるわせるシーンも、見たのは敏夫です。

いみじくもかなえが言ったように

「大人は正直になっちゃいけない瞬間がある」

ということでしょう。報瀬がはっきりと吟の孤独を理解したのはブリザードの夜を雪上車の中で過ごした時です。

(きっと母もこの雪上車の中で過ごしたのだろう)

と思い浮かべていたとき、彼女は唐突にその場に吟もいただろうこと、そして吟も貴子と笑い合っていただろうと思い至ります。報瀬達の前では寡黙で厳しい隊長であっても、友達である母とは愉快な時間を過ごしていたのではないか。彼女がそう思い至ったところでキマリが声を掛けます。この流れはとても優しいもので、続く報瀬から貴子へのメールと合わせて、この作品を代表するような、心を打つ話でした。

また、乗船時の報瀬の挨拶を思い出してみると、おおよそその内容は「私と母」でした。それに対して夏隊帰還式典での報瀬の挨拶は、「母とその仲間」にも想いを馳せたものになっています。

そういった流れを全部ひっくるめてみると、吟と報瀬の別れのシーンはとても興味深いものです。

「隊長のこと、よろしくお願いします」
「だって」
「言うようになったね」

このときの報瀬の軽口には彼女らしからぬところがあります。番組中、4人が大人に対して対等に張り合おう、あるいは話をしようというシーンは無かったと思います。吟のすっかり報瀬と親しくなった風の笑顔も印象的ですが、それにまして報瀬の言葉の違和感は強烈です。

さて、この13話で報瀬が吟をPCに渡すシーンは、12話でキマリが報瀬に渡すシーンと同じ構図です。

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このとき報瀬は何を考えていたのでしょうか。私は「吟に対して盟友のような気分を感じていた」のならいいな、と思っています。口に出してしまえば傲慢ですが、「何にも邪魔されれず仲間と乗り越えていくしか無いこの空間」を共有した隊員の一人として、そしてともに小淵沢貴子の死を乗り越えた仲間として、そういうことを感じたのでしょう。友達から受け取った大切なものを、また友達へ渡す。そんなシーンだったのかもしれません。

 

宇宙よりも遠い場所(メモ)

あまりにもよく出来た作品だったため、『宇宙よりも遠い場所』の録画をヘビロテしています。おかげで悪い薬でも打ったんじゃないかって感じに頭がロックされてます。軽く死ねますよ。

さて、この作品、見直すと次々に伏線が見つかります。が、それらをきちんと整理する自信がないため、思いつくままに並べててみます。言えるのは、伏線は多いけど複雑ではないということ。そしていずれも意味があるということ。

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『宇宙よりも遠い場所』最終回

アニメ『宇宙よりも遠い場所』第十三話「きっとまた旅に出る」。

実に素晴らしい作品でした。

この作品は一話一話がよくできている上に、各エピソードが意味を持って繋がっているため、見直せば見直すほどスルメのように味が出てきます。

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