『Re:Creators』 第5話 脚本に完全敗北する心地よさ

Re:Creatorが面白いです。

先にも書きましたが、もともとこの作品にはそれほど期待していませんでした。しかしながら、完全に打ちのめされながら観ています。めちゃめちゃたのしい!

5話では話が急展開します。4話の終わりでまたまたキャラクタが登場しましたが、5話冒頭で彼を訪ねてきた一同が急襲されます。襲ったのはなんと自衛隊。連れて行かれたのは何と何と内閣直属の緊急対策本部。

「自衛隊が突然襲ってくるが、平和的話し合いを望んでいる」

という、アクロバティックな状況を、ごく自然に理由付けした脚本に完敗です。そりゃそうだ。完全に人間を越えた能力を持つ存在が来ていることに対して対策を練っていたところ、人類を越えるテクノロジーによる重機がやってきたのですから、緊急出動せざるを得ません。菊地原さんによる「政府視点での経緯」が、物語の背景に一層情報をあたえていて、大変自然な解説となっていました。

こういう筋書きで出てくる政府は無能か有能かが極端ですが、このストーリーでは極めて有能な内閣でした。代表者一人に権限を十分与えて耳を傾ける組織というのは、その時点で大変有能といわざるを得ません。前線の指揮官(階級が低すぎると思った)が

「私にはその権限が無い」

といったことと対照的に、菊地原さんが居並ぶ大臣(?)を前に独断で次々と話をつけて行ったシーンが印象的でした。

私はこの作品ではメテオラが一番好きなキャラクタです。飄々とした屁理屈を使うかと思えば、賢く誠実な性格の持ち主もあります。メテオラと菊地原女史の会話は、濁りの無い、美しい精神による、目的を一にした話し合いといった風で、心地よく観ることが出来ました。

それぞれノーヒントであったことから、軍装の姫君と1話冒頭の自殺者は関係があるのでは無いかと考えていましたが、今回ついに結びつきました。次回は悲しい話になりそうです。

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2017年春アニメが豊作

実のところ、「春アニメは不作だな」と思っていたのでした。多分、残るのは1,2本だろうと。ところが開けてびっくり玉手箱です。各方面に謝って回らなければならないほど、楽しんでいます。

Re:CREATORS

大穴でした。これ、絶対面白くないと思っていましたもん。異世界転生ものだし。

ところが、やってきたのはこちらからあちらではなく、あちらからこちら(これはまぁ、わかる)。主人公が無力(しかたない)。しかも、他世界から(!)。

ご都合主義的に作られた創作世界(主人公の成長の物語にするため、主人公が弱い。だけど空を飛ぶ。ファンタジーなので「やっつけても」死なない、壊れない等)かから、世界観を置き去りに能力だけ持ってやってきたキャラクター達。彼らが自分たちを非創作物だと知ったときの戸惑い、そして創作者の世界に向けるまなざし。

ともすれば痛々しいだけで雑になりがちなストーリーが、掘り下げて描かれています。特に4話ではメテオラに光りを当てて、彼女が自分が来た世界、自分を作り上げた人、自分を作り上げた人の世界に対して真摯に向き合う姿が、実に丁寧に描かれていました。

そしてメテオラ同様真摯であるが故に、創造主の世界に怒りをたたきつけるアリステリア。

恐るべき事に4話に至っても、まだキャラが増え続けています。はてさて、どうなるやら大変楽しみな作品です。

音楽もかっこいいですね。

サクラダリセット

放送順が出版順では無くて時系列でした。

ものすごく丁寧に作り込まれています。ものすごく丁寧で、原作に充実なため、4話のラストで私が死にそうになりました。ストーリーを知っていても、あれはきついです。

ケイが4話のラストで村瀬さんに仕掛けたことは、彼女の、言葉とは反対のどうしようのない優しさにたどり着いたという自信に裏打ちされています。しかし、一方でケイがそれにたどり着いたロジック(1回目に村瀬さんは猫を助けるためにリセットを強いた。猫を助けたことを確認するためにリセットによる記憶消去を能力で打ち消した。2回目には彼女は皆実さんを助けるためにリセットを強いた。皆実さんを死に至らしめたことに耐えられないので、リセットによる記憶消去を打ち消さなかった)が視聴者に伝わりにくい点は、いかんともしがたいです。

さらに、皆実さんが村瀬さんが言った言葉、「あなたはちっとも特別じゃ無い」は、皆実さんの『死を受け入れてでも非凡さを手に入れたい』という悲しい渇望を理解しないと、その重さがわかりません。そこがやはりわかりにくいことが残念でした。

そしてなにより、あんな滅茶苦茶な手を使ってでも、苦しんでいる村瀬さんを助ける選択をした背景に、自分のせいで相麻さんを死なせてしまった事への悔恨があること。これがテレビで表現できないのは、もう仕方ない気もします。

原作は大変複雑で、しかもエピソードと心がもつれ合った作品です。それを丁寧に描こう、間もきちんととろう、そういう制作者の意図が見えてくるだけに、尺の短さがつらいところです。

でも、満足度が大変高い作品。

正解するカド

第1話を見終わった後は「とりあえず釘宮さんを聞くために続けよう」くらいだったのですが、なかなかどうして、脚本がよくできています。

特に3話に出てきたワムの扱い。

「むしろ無尽蔵なエネルギーは問題だよ」

という視聴者のツッコミをきっちり予測して、温暖化問題、国際政治問題にまで昇華したのは流石です。登場人物を切れ者設定にしておいて脚本がグニャグニャだとどうしようも無いのですが、この作品については毎回息を呑むようにして観ています。

月がきれい

他愛ない話なのですが、新鮮ですね。

超能力無し、異世界無し、特別な能力無し、性別入れ替え無し、ごく普通の少年少女の恋愛劇ですが、少年側を少し文学に振ったことで物語りが平板になることを防いでます。平均的な少年はあまりにもあほだからなぁ。

村下孝蔵は反則。

ツインエンジェルbreak

もう録画しなくていいかなぁ、と思っていたのですが4話で大爆発。茅野さんの舞い上がり演技、静御前のおちゃめなそそのかし、そしてなにより吉野さんの演技に笑いっぱなしでした。

『91days』 11話 感想

残り1話。いや、楽しませてもらいました。

毎回毎回息を呑む様な気持ちで画面に釘付けです。ラノベ的にべらべら語り尽くすのではなく、心情を画面で語る。大変映画的な作品です。

また、「ファミリーを大事にする」というマフィア映画の伝統を踏襲している意味で、安心して楽しむことが出来ました。いえ、安心というのは作品への安心です。ストーリーは押しつぶされそうな気分でした。

『家族を殺された』

アヴィリオ(アンジェロ)の復讐劇は、家族殺しと見せて実は

『ファミリーをつぶす』

エンドを迎えます。それは「ファミリーのために」盟友を殺したヴィンセント・ヴァネッティを深い悔恨を与え、絶望のうちに死を迎えさせました。

ファミリーをつぶされたネロは父と弟と妹を失っています。これは父と弟と母を失ったアンジェロと似た境遇になったことを意味します。

孤独になったアンジェロに「たった今から僕たちは兄弟だ」と言ったコルテオは、アヴィリオ(アンジェロ)の手にかかって死にました。弟を手にかけたネロに「今日から俺が弟だ」と言ったアヴィリオはどうなるでしょうか。

保護中: 『箱の中の欠落』『私たちの伝説の一冊』感想 password : netabare20160911

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アニメ『昭和元禄落語心中』

次回最終回です。

素晴らしい作品だっただけに、きちんと感想をブログに書かなかったのが悔やまれます。最近はブログに何か書くのがおっくうなのでツイッターで済ませたいのですが、ツイッターにあまり書き込むと録画をしている人や視聴区域によってはネタバレになります。ネタバレで困るような作品では無かったので、積極的に書くべきだったかも知れません。

ブログに書くのがおっくうになったのは理由の一つであるのですが、なかなかに感想が書きにくい作品だったと言うのも正直な感想です。毎回毎回、アニメスタッフと真剣勝負をしているような疲労感がありました。それほどよくできた作品です。

原作が好きな方が気分を害すると困るのですが、このアニメは原作よりもよくできていました。それは原作が悪いというのでは無く、題材があまりにも書籍にとって分の悪い物であるからです。落語は言うまでも無く話芸です。声の調子、テンポ、間のとり具合で自由自在に観客をおし引きする様子は、最近のお笑いには無い深みを味合わせてくれます。加えて身振りや小物といったものが、一人しか居ない噺家を何人もの人間にも見せてくれます。そういった落語の深みを紙面で表現しろというのは酷です。

アニメは、原作が背負っていた制限を全部取り除いた作品ですから、そりゃ面白くなるに決まっています。

初回、1時間もの枠に驚いたものです。が、見れば納得するとしか言いようがありません。与太郎の、勢い任せの荒削りな、しかし観客をぐいぐい巻込んでいく落語。そして八雲の、客席が静かに凍り付くような話術。この二人の対比を、お約束ばかりの最近のアニメから解き放たれた声優が存分に演じ上げる様子にあっという間に時間が経ちました。

八雲(菊比古)には多少同性愛を思わせる線の細さがありますが、本人にはその気はないようです。ただ、境遇に対する否定的な視点、助六に対するコンプレックス、不自由な脚などから、どうしても性格は陰気になります。助六が落語に出てくるどうしようも無い亭主なら、菊比古には口うるさい世話女房のようなイメージがつきまといます。作品は、この二人の若い時代を軸に描かれていますが、幼い小夏の手を取って二人で歩く姿は、なるほど心中ものなのかもしれない、と思わせました。

結局の所、二人の話はありきたりな三角関係に落ち着くのですが、そこに至るまでの数々の『芸』こそがこの作品の見所で有り、スタッフの熱意がよく伝わってきました。特に、若手落語家で勝手に芝居を演じた『弁天娘女男白浪』が印象的でした。芝居の筋がわかっていても、劇中、突然として弁天小僧が女のふりをやめるシーンは息を呑むような大きな驚きを与えてくれます。菊比古の性格とよく合った出し物です。

また、縁側で小夏相手に助六が落語を聞かせるシーンも印象的でした。途中から落語に菊比古が絡んできますが、彼が一貫して暗い室内を背負ってしゃべっているのに対して、助六が日の当たる戸板を背負って話している様は、二人の性格をそのまま表しています。

落語にジャズという驚きの組み合わせが実に楽しかったこの作品、次回で幕引きとは寂しい限りです。

保護中: 『竹の子姫』読了 password : netabare0315

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保護中: 『いまさら翼といわれても』(後編) – password : netabare0117

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