柑菜の魅力

『あの夏で待ってる』第7話。前回乱入してきた女の子二人が嵐のように去っていった後、気づいてみれば海人とイチカはお互いの気持ちを認め合い、美桜は哲朗に思いを伝えていました。

柑菜一人がピエロ。

なんて所には収らないのがこの番組の不思議なところです。見終わった私の頭の中では柑菜が一番輝いていました。海人とイチカの二人を中心とした恋模様は、柑菜から海人へ、哲朗から柑菜へ、美桜から哲朗へという困った片想いに囲まれています。しかし、監督と脚本家は思春期の少年少女達のこのままならない恋を、ドロドロした形ではなくさわやかに描き挙げようとしているようです。

一度触れたことがありますが、柑菜の魅力は、その純粋さにあります。好きな人の家に、事もあろうに魅力的な先輩が転がり込んでくると言う絶望的な展開の中において、彼女は海人に「先輩を支えてやれ」と言います。なぜなら先輩は留学生であり、不慣れな日本で困っているはずだから。それを言うときの彼女は、裏で自分の言葉に動揺していません。彼女は好きになった海人が良き人であってほしいのでしょう。あまりに純粋な言葉に、哲朗は

「C子ちゃん、地雷踏みまくり」

とため息を漏らします。

一方で、柑菜はイチカが海人の家に寝泊まりしていること自体には、酷く危機感を抱いています。しかし、それを口にするのは彼女の純粋さが許しません。イチカに「いつまで日本にいるのか」と聞いた彼女は、激しい自己嫌悪に苛まれることになります。

今回、イチカと美桜は、それぞれが乱入してきた少女に突き動かされる形で、自分の気持ちとはっきり向き合いました(美桜のいじらしさはそれだけで30分くらい酒の肴として語れそうですが、置いておく)。その間、柑菜は檸檬の策略で酔いつぶれていました。酔っぱらって、ねこ耳コスプレの格好で「何してるニャ!」と仁王立ちする柑菜。いきなりほっぺにチューしたかと思うと、ネコ耳着脱でそれこそネコの目のようにテンションをアップダウンさせる彼女は確かに道化師めいています。

しかし、彼女が檸檬の策略に釣られたのはただひとつ、「海人の考えていること」を教えてほしかったからです。いじらしいことです。

彼女はか弱い少女です。いい方向に進んでいない片想いを抱えて、彼女にはどうすればいいのかわかりません。雨宿りをするバス停で、哲朗が自分の恋に気づいたと知った彼女は酷くうろたえていました。そして、からかわない哲朗に、「私の事、応援してくれるの?」と酷く不安げに聞きます。すがるような調子、と言ってもいいでしょう。心細いからこそ、簡単に檸檬の策略に釣られるのです。

ヒロインであるイチカを象徴する台詞は、多分第2話の終わりに彼女が言った、「だめ。言っちゃ、だめ。お願い」という、言葉でしょう。謎めいて、だけど優しい笑顔で言い含めるように話す年上の人。それがイチカです。

私にとって柑菜は第4話で彼女が海人に聞いた「私の事、探してくれた?」と言う言葉に象徴される、いじらしい純粋さを持った少女です。好きな人は、自分のことを考えていてくれるだろうか。そんな事が気になる少女が柑菜です。ああ、かわいいなぁ。

Enterpriseテーマに手を入れた

先日描いたように、このサイトで使っているEnterpriseテーマは、ページトップに固定ページのメニューとカテゴリのメニューが自動的に作られるのが特徴です。ところが、カテゴリのメニューについてはどうも動作が不安定で、正しい構造が反映されていませんでした。

構造が正しくないくらいならまだしも、抜けがあるのはたまらないので結局自分でメニューを再構築することにしました。

再構築したのはページトップのメニューの二段目で、これはEnterpriseとしてはサブメニューの扱いです。ここに、自分でカテゴリーを組み合わせて作ったカスタムメニューを配置しました。Enterpriseテーマが作るメニューは自動的に無視されます。

カテゴリはぽんぽん作る物でもないので、これでしばらくやってみます。

漫画版『氷菓』 第2話

早いもので、早くも第1話から1ヶ月です。少年エース4月号を買ってきました。

前回は入部編と言うことで、今回が「愛無き愛読書」になるか、「やるべきことなら手短に」になるか注目していたわけですが、蓋を開けてみれば後者でした。時系列順です。と言うことは次回は「愛無き愛読書」と喫茶店のエピソードでしょうか。連載がいつまで続くのか、コミカライズを引き受ける方も不安だと思いますが、にもかかわらず話しが長くなりがちな時系列順を選んだことには素直に賞賛の拍手を送ります。

「やるべきことなら手短に」が収録されている短編集『遠まわりする雛』は、本来本来推理小説シリーズである古典部の作品群の間をつなぐ短辺を収録しています。それらの短辺は独立した推理エピソードであるだけではなく、各長編の間で登場人物達がどのように変わっていったかを丁寧に描くノリシロでもあります。灰色の学園生活でよしとしていた奉太郎が、千反田えるという女の子にどう向き合えばいいのか戸惑う本作品を時系列順に持ってきたことで、彼の心の移り変わりを読み取ることができるようになりました。

ストーリーは前回と同じく、原作の会話の文を骨格としてモノローグをある程度削り落とした、丁寧な仕上がりになっています。キャラクタに合わせてハートやスペードがちりばめられているのも同じです。感心したのは表現が本当に丁寧な点です。

たとえば、千反田さんが里志に部活の文書を渡した後、奉太郎に話しかけるときの一瞬の間が見事です。ここは、千反田さんが一呼吸入れた事で奉太郎が遮るタイミングを与えてしまったわけですが、その一呼吸や、奉太郎に先を取られて一瞬混乱する千反田さんの表情などが鮮やかな手並みで表現されています。

また、虚実の間で戸惑う奉太郎の心理を、彼の視点による千反田さんに、彼自身のモノローグを重ねることで表現がより丁寧なものになっています。

お試しで買った先月号に加えて今月もあたりでした。しばらくこの雑誌が楽しみになりそうです。

第7話 変調

先週からの続き、いきなり冒頭で担任教師が生徒の前で自殺します。あまりに凄惨な事態に茫然自失する生徒達ですが、やがて、「いないことにする」まじないが失敗したことを自覚します。これを以て勅使河原と赤沢さんが鳴と恒一へ接触したため、二人の無視は事実上なくなってしてしまいます。

恒一は相変わらず自分が死者なのではないかという気持ちをぬぐいきれないようですが、確証はありません。鳴は夏休みのはじめに町を出るようですが、逃げるのではなく、単に家族と別荘に行くだけのようです。

今回もいくつかの新事実がわかりました。

  • 恒一の母のりつ子はクラスの集合写真を実家に保管している。
  • 15年前、怜子とクラスメイトだった男が「現象を停止させた」と言っており、それに関わる何かを隠しているらしい。
  • 15年前の現象は、林間学校中の8月9日の二人の生徒の死を以て、鳴りをひそめた。誰が死者だったのかわからない唯一の年である。
  • 赤沢さんは恒一が死者ではないことを確信している。根拠は不明だが、握手をした記憶があると言っている。
  • 鳴は恒一が死者ではないことを確信している。根拠は不明。

15年前に現象が止まった理由ですが、あるいは死者が8月9日に死んだのかも知れません。それにしても、誰かの記憶に残って名前を記すことができそうなものですが。

今週も、「登場人物紹介のクラス関係者に死者が居る」と仮定して、情報をアップデートします。

クラス関係者達

榊原恒一:主人公。3年次に編入。クラスメイトからは当初死者ではないかと恐れられます。実は1年半前に夜見山に来たことがあるという、本人すら忘れていた事実が発覚しています(父親の記憶違いの可能性もあり)。1年半前というと、三神先生のクラスで現象が起きていた時です。赤沢さんはかつて恒一と握手したことがあると言っています。

見崎鳴:ヒロイン。クラスメイトからまじないとして居ないものと扱われています。左目が義眼。義眼を作ったのは母親。義眼って特殊な医療用プラスチックなので、通常の人では作れません。これ、ひょっとして重要な伏線ですか。だとしたら、彼女が死者である可能性もあります。義眼では見たくない物が見えると言っています。恒一が死者ではないという確信や、りつ子の卒業写真を見せろという理由は、この義眼である可能性もあります。なお、美術部部員であり、部員達からは普通に慕われています。

風見:秀才君。様子見をしているだけで、自律的な所を感じさせません。死者であると言う線は今のところ薄いです。

赤沢泉:現象対策係であり事実上のリーダーでしたが、桜木さんの死を受けてクラス委員になり、名目共々クラスのリーダーです。クラスメイトを無視することに対しては罪悪感を感じていたようですが、義務感から来る事実への取り組みは真剣です。当初恒一を死者ではないかと疑っていましたが、「握手をしたとき手が冷たくなかったから」死者ではないと考えるようになりました。しかし、死者は生者と見分けが付かないはず。握手でわかるなら全員と握手すれば済みます。一昨年の現象の際、「赤沢」という生徒が死んでいますが、身内かどうかは不明です。

勅使河原:ムードメーカー。クラスメイトを無視することには罪悪感を感じていました。死者であるという線は今のところ薄いです。

望月:美術部。三神先生に恋心を抱いている様子です。姉に今回のことを話して、15年前の事件のヒントを得ました。死者であるという線は今のところ薄いです。

三神:副担任。美術部顧問。望月君の憧れの人。ぞくっとするくらい美しい人です。一昨年、生徒が無視されることに耐えられなくなって、ルールが破れたため起きた惨劇時に担任だった先生。美術の先生として活動している描写の他、ルールについて生徒にアドバイスを与えるシーンがあります。今回の担任の死亡にショックを受けている模様。

今週の怪しい人々

鳴に関しては義眼の設定が怪しい気もしますが、何となく死者である可能性は落ちてきた感じです。

現在怪しいの恒一と泉(赤沢さん)ですね。

恒一は相変わらず一昨年の夜見山来訪容疑が晴れません。加えて泉までが、「恒一とかつて会った」と言い出しています。もっとも赤沢さんは恒一が死者ではないことに確信を持っており、恒一が一人で戸惑っている様子。泉はかつて恒一はりつ子のお腹の中で死んだのだ、という仮説を挙げましたが、直ちに冗談として引っ込めています。

泉自身にも不審な所があります。ストイックなほど現象への対策に対して真剣な彼女です。一昨年の死亡者の赤沢は彼女の兄かも知れません。それ故に現象に対してマジメに取り組んでいるのかも知れませんが、一方で彼女は一昨年死んでいる可能性もあります。

三神先生は容疑が薄くはあるものの、実は二年前の現象で担任として死んだという可能性もあります。

残りのクラス関係者である風見、勅使河原、望月に関しては今のところ疑うべき事実は発覚していません。

そして今回ですが、恒一の叔母の怜子が急に怪しくなってきました。千曳が見せた15年前の名簿ですが、生徒の名前が映されなかったのです。一昨年の名簿は映っていましたから、今回映さなかったのは何らかの叙述トリックなのかもしれません。

Enterpriseテーマ

このサイトは”Enterprise”という、Wordpressテーマを利用しています。Wordpress.comは、いくつかの与えられた選択肢から自分で「テーマ」と呼ぶデザインを選んで使う事ができます。テーマによって見た目やメニューの構成が変わります。

Enterpriseを選んだ理由は

  • カテゴリ階層がメニューに反映される。
  • ページ階層がメニューに反映される。
  • 比較的読みやすい

ことが理由です。ところが、最近になって「カテゴリ階層が正しくメニューに反映されない」という問題が起きるようになっています。調べたところ他のテーマでは起きませんので、Enterpriseテーマの問題であるようです。もう一つ、このテーマにはH5の強調が弱すぎると言う問題があります。

他のテーマを含めて調査中です。

第6話 二人

前回主人公の恒一が無視され始めたことで、ヒロインの鳴がようやく心を開いた「Another」。今回はその話を受けつつ、次回へと続くつなぎ回のようです。

3年3組で死者が出ることに対しては学校で長いこと認識されており、一部の人はそれに対して仮説を持っています。それらを総合した鳴の考えによると、この問題は呪いではなく現象です。意志によるものではなく、新学年とともに始まり、卒業で幕を引く現象。現象が起きている間には、誰にも真相がわからず、現象が終わると何が引き金だったのかわかる現象。

図書館司書である千曳は最初に「みさき」が死んだ年の担任でした。彼はその後教師を辞め、司書として学校に残っています。その彼は、現象が起きるときにはクラスの人数が1人増え、誰が増えたのかわからないのだと言います。そして、1人増えた年は毎月死者が出ます。現象を押さえたければクラスの人数の帳尻あわせのため、誰か1人を無視して居ないことにするしかありません。理由は不明ですがそれが知られている唯一の対策です。増えた1人は過去、この現象で死んだ人だと言われています。

今回、いくつかの新事実が出てきました。ちょっとメモしておきます。最近記憶が悪くて番組見ている間に「お!」と思っても、終わったら忘れていることが多いです。

  • 今年は現象がないはずの年だったが、恒一が転入したことで机が足りなくなった。そのため、鳴が5月から「居ないもの」とされた。
  • 父親の記憶によると、恒一は1年半前に夜見山に来たことがある。
  • 鳴と母親の霧果は血が繋がっていないようなニュアンスの発言があった。
  • 鳴と霧果の間にはひとつだけタブーがある。それ以外は放任。
  • 鳴は目の病気を患ったとき、死線をさまよったことがある。そのせいで今回犠牲者になることはないと考えている。根拠は不明。
  • 一昨年の現象の時は、三神先生が担任だった。現象は学年頭から起きていたが、おまじないが破綻したのは夏休み明けで、それから犠牲者が出始めた。
  • 一昨年の犠牲者の名には「赤沢」の名字がある。赤沢さんの兄か。
  • 恒一の母親のりつ子は、15年前、恒一を生むために夜見山に帰省しているときに死んだ。3年3組の現象の巻き添えと思われる。
  • 15年前3年3組だった怜子によれば、15年前の現象は夏休み中の何らかの事件がきっかけで犠牲者が出なくなった。
  • 「現象」は、机の数が名簿よりひとつ足りない事で認識される。名簿の名前から記憶から「改竄」が行われているため、誰が紛れ込んだ死者なのかはわからない。
  • 年度がかわると、誰が紛れ込んだ死者だったのかがわかる。
  • 紛れ込む死者は過去の犠牲者の誰か。
  • 犠牲者はクラスに属している本人か、そこから2親等以内。担任、副担任も「本人」。
  • 居ないことにするまじないは基本的に3年3組の中だけの話。その外では居る事になっている。
  • まじないの成功率は半々。多分厳密な条件などがわかっていないから。

さて、「死者は誰?」というのこのアニメのキャッチフレーズ。鳴が机に刻んだこの台詞、意味があるでしょうか。言い換えると、増えた1人として学園生活を送っている死者を探すことに意味があるでしょうか。

推理小説では、読者とフェアな戦いを行うためのルールがいくつかあるそうです。その中の一つ、ノックスの十戒には次のようなものがあります。

  • 犯人は物語の初めの方で登場している人物でなければならない

Anotherは推理小説ではなさそうですし、そもそも死者捜しは犯人捜しではないため、ノックスの十戒を持ってくるのが適切かどうかはわかりません。しかし、ここはひとつお遊びとして死者捜しをしてみましょう。Another原作者は十戒に基づいて前半に登場した人物を死者としていると仮定します。もう少し言うと、アニメ公式サイトの登場人物紹介に死者が居るとします。死者は実存し、他者から認識することができますので、会話の不明点などは、探るだけ無駄かも知れません。てか、高林君も担任の先生も人物紹介にいないじゃん。哀れ。

6話までで死んだ人々

水野さん:看護婦。クラスメイトの水野君のお姉さんです。エレベータ事故で死亡。

桜木さん:クラス委員。クラスの最初の犠牲者。死んだので死者ではないと思われますが、根拠はありません。死の直前、鳴と恒一が話しているシーンを見て動揺し、逃げ出した理由が不明です。あるいは、「無視が成立していない、誰かが死ぬ」ということに改めて戦慄して逃げたのかも知れません。恒一が鳴を無視していないのはわかっていたことではありますが。

桜木さんのお母さん:桜木さんと同日に自動車事故で死亡。

高林君:河原で恒一にクラスのルールを話そうとして死亡。タイミングが偶然なのか必然なのかは不明です。

藤岡ミサキ:鳴のいとこ。第一回で既に死んでおり、鳴曰く「私のかわいそうな半身」です。「かわいそうな半身」の意味ははっきりとはわかりません。鳴からは4親等であり、現象の性質から今回の現象の犠牲者ではなかった模様。

登場人物紹介に掲載されているクラス関係者

榊原恒一:主人公。3年次に編入。クラスメイトからは当初死者ではないかと恐れられます。実は1年半前に夜見山に来たことがあるという、本人すら忘れていた事実が発覚しています(父親の記憶違いの可能性もあり)。1年半前というと、三神先生のクラスで現象が起きていた時です。

見崎鳴:ヒロイン。クラスメイトからまじないとして居ないものと扱われています。左目が義眼。義眼を作ったのは母親。義眼って特殊な医療用プラスチックなので、通常の人では作れません。これ、ひょっとして重要な伏線ですか。だとしたら、彼女が死者である可能性もあります。義眼では見たくない物が見えると言っています。怖いよ。なお、美術部部員であり、部員達からは普通に慕われています。

風見:秀才君。様子見をしているだけで、自律的な所を感じさせませんね。

赤沢泉:現象対策係であり事実上のリーダーでしたが、桜木さんの死を受けてクラス委員になり、名目共々クラスのリーダーです。クラスメイトを無視することに対しては罪悪感を感じているようですが、義務感から来る事実への取り組みは真剣です。当初恒一を死者ではないかと疑っていましたが、「握手をしたとき手が冷たくなかったから」死者ではないと考えるようになりました。しかし、死者は生者と見分けが付かないはず。握手でわかるなら全員と握手すれば済みます。

勅使河原:ムードメーカー。クラスメイトを無視することには罪悪感を感じているようですが、しかしクラスのルールには従っています。

望月:美術部。三神先生に恋心を抱いている様子。

三神:副担任。美術部顧問。望月君の憧れの人。ぞくっとするくらい美しい人です。一昨年、生徒が無視されることに耐えられなくなって、ルールが破れたため起きた惨劇時に担任だった先生。美術の先生として活動している描写の他、ルールについて生徒にアドバイスを与えるシーンがあります。ただ、恒一を無視して幽霊のように歩くというシーンが一カ所ありました。これ、気になっていたのですが要するに「恒一を無視することに決まった」というクラスのルールに従っていたんですね。スローで再生したら、声をかけられたときに一瞬顔を背けていました。

登場人物紹介に掲載されているクラス以外の人

死者はクラス関係者だと限定すると以下の人々を疑うのは変ですが、まぁ一応。

霧果:鳴の母親です。ミステリアスな人ですが、あまりにも情報が少なすぎます。

千曳:司書。26年前「始まりの年」の担任であり、恒一の母親の担任でもあった人です。現象について一番理解しているというか、一番観察している人でもあります。何人の死を見ている事やら。この現象が呪いではないことを指摘します。クラスメイト以外はルールに従わなくてもいい事を明言したのはこの人ですね。鳴と恒一の一番の理解者になりつつあります。

怜子:恒一の叔母。怜子は15年前3年3組でした。その際、出産のため帰省していた恒一の母親が、現象の犠牲になって死んでいます。仕事で疲れているなどと前置きがあるものの、唐突な発言があったり、少し怪しい人ではあります。

りつ子:26年前、「始まりの年」に3年3組に所属していました。怜子が3年3組だった年に帰省して死んでいます。千曳が「よりによってりつ子君か」と言っているため、26年前に何らかの特別な役割を果たした可能性があります。

死者は誰?

死者がクラス関係者であるのなら、現在開陳されている証拠に基づく限り、怪しいのは現時点で恒一と鳴です。ただ、前半の鳴の幽霊疑惑と同じく、ミスリードを狙った展開である可能性もありますからね。まだ何とも言えないところです。

誰が死者か、に関しては「過去xxxだったから、こいつがここに居るのはおかしい。だからこいつが死者」という事ができません。なぜなら、過去の記録は改竄されているからです。たとえば、

恒一は実は一昨年のクラスの一人だった。産まれたのは17年前。怜子は17年前の3年3組で、りつ子も17年前に死んだ。

のだとしても、現象進行中には記録と記憶が改竄されているため、わかりません。

あれ、でも夜見山の外は圏外なんですよね。だったら全員で夜見山の外に遠足なり修学旅行なりに行けば誰が死者かわかる気がしますが。修学旅行ってかつては3年次だったのが2年次に変更されています。何か関係あるのでしょうか。

今回、鳴が恒一に少しだけ心を開いています。二人で無視されて、ふたりでサボり、二人でご飯を食べ、二人で話をする。とてもつらい目に遭っているのに、静かで、心安らぐ時間。そんな情景が細やかに描かれていました。こういう丁寧に作られた作品は大好きです。

だんだん微妙になってきたかな

輪廻のラグランジェ、「あはは、ランちゃん可愛い」くらいで笑っているまでは良かったのですが、だんだん視聴時のテンションが下がってきました。原因は脚本に対する不満かなぁ。

話の全貌の一端がわかってきたわけですが、端的に言えば地球は二つの宇宙文明間の戦争だか抗争だかに巻き込まれています。今後の展開いかんによっては何億人という人が死ぬわけですが、画面上では隅々に到るまでこの深刻感のかけらも表現されていません。ロボットアニメなんてそんな物といわばそれまでですが、何でしょうか、画面ばっかり高画質になって、キャラクタは萌えだの媚びだの何だのの追求に余念がないのに、脚本は70年代のお気楽ロボット漫画って、そりゃちょっと違うような。それならそれでシリアスっぽいこと言わずにギャグに徹してほしいところです。

まどかの言動も違和感が大きくなってきました。彼女の言動はつねに自分中心であり、善悪の判断は純粋に好悪に基づいています。彼女は自分からの距離だけで事物の重要度を決定しており、近い人は大事、遠い人は知らないと言う判断をはっきりと行動で示します。だから、彼女から見れば、「泣いているムギナミはかわいそう、戦争に巻き込まれる地球なんか知らない」「地元の鴨川は大事、地球なんか知らない」という重要度判断は至極まともです。しかし、それが戦火に逃げ惑う人の気持ちならともかく、地球の命運を背負っているらしいパイロットの口からでると、奇怪な印象を与えます。

今回、ムギナミから「ジャージ部だって所詮自己満足」と言われてまどかがひるむシーンがありましたが、これって脚本家による自虐ネタなんでしょうか。

そもそも、正義感らしき物を振り回しているつもりらしいまどかが裏切りを行ったムギナミへの追求を30秒くらいで辞めていることも据わりの悪い気持ち悪さを感じさせます。

物事の善悪を社会的ルールや、広く合意を取ることのできる倫理観に頼らず、自分からの距離で測るというのは、マフィア映画ややくざ映画、暴走族漫画の基本的枠組みです。そう言った映像世界では、中心に二本脚で立つ「オレ」が居て、「是も非も曲げて仲間を守るオレかっこいい」というパラダイム軸に物語が展開します。この手のストーリーで一番記憶に残っているのは古い話ですが『湘南爆走族』のタイマンエピソードです。

主人公江口の率いる「湘南爆走族」との正面衝突が避けられなくなった「地獄の軍団」。その総長権田に、女の子が「非があるのは地獄の軍団の下っ端なんだから、そいつに筋を通させれば、話し合いで解決できる」と懇願するシーンがあります。しかし権田はにべもありません。「信じてやらないといけないのは誰だ。仲間だ」と言い放ちます。彼の判断基準の最高優先度は仲間であって、善悪ではありません。権田は総長としての筋を守るため、自分の筋を曲げて雨の中宿敵江口とタイマンの殴り合いを繰り広げます。

まどかの言動もこれに似ています。可愛くてロボットな暴走族アニメ。うーむ。

お笑い担当の権田が男をかけて江口と殴り合うこのエピソードは『湘南爆走族』屈指の名エピソードですが、これが名エピソードであるのは、権田が社会のつまはじき物を集めた暴走族の総長であるからです。同じ価値基準をスーパーロボットのパイロットが振り回しても。

見続けるかなあ。どうしよう。