ローリング・ガールズ最終回

ローリング・ガールズ最終回終わりました。

むう。なんというか。この作品は私にとって期待外れだったんだろうか、楽しかったんだろうかともやもやした気持ちです。

原作無しのアニメというのはある意味制作サイドが好きなことをやっているイメージがあります。もちろん、スポンサーを口説いて予算を取ることの出来る企画でなければならないわけですが、その枠内で楽しくやるという開放感は、やはりあります。前期からやっていた『寄生獣』が、原作尊重という厳しい縛りの中であえいでいるように見えることがありましたが、その逆のパターンですね。

割とはちゃめちゃな世界観の中でローリング・ガールズが描きたかったものはなんなのだろう。と、ここ数日首をひねっています。

出だしは良かったと思うんですよ。所沢と東村山の素っ頓狂な対立。テレビアニメというよりテレビ漫画に近い荒唐無稽でコミカルなバトルシーン。傷ついた姉の代わりを行うことで、守られる立場から守る立場へと一歩踏み出そうとする少女。彼女の前に偶然集まる少女達との旅の始まり。そして、謎の石と所沢大統領。こういった題材が、2話で上手くまとまっていたように思います。

ただこう、なんというか。起承転結の転が騒がしすぎた気がします。謎の赤い石はただの石だった(京都編でにおわせる)、広島で突然の喧嘩。そして童話がらみの抗争に突然乱入する「かつての実力者」。正体を明かす籾山(これは予想通り)。突如現れるロボット。

起承転結の転はすっきりしているからこそパワフルなのであって、こう何もかも一遍にひっくり返されると、ついて行けなくなります。ひっくり返ることで発生するカタルシスに承のところでフォーカスしておかないから、視聴者がついて行けない。

また、全体としての一貫性がきちんと保たれていない点も不満を感じました。赤い石が猛者の力の源で無いことは、京都編からにおわされていたのですが、だったら猛者とは何か。どうすれば猛者になれるのか。それを描かなかったために、この話はひどく中途半端になっています。猛者とモブの違いは望未や逢衣にとって重大問題なはずですが、その壁を乗り越えるための鍵が完全否定されたのに、二人ともあっけらかんとしています。望未のほうはもともと闘争に懐疑的な面を見せていましたが、逢衣のほうは致命的でしょう。何らかの決意でノリ小手田というのなら、その乗り越えこそが見せるべきストーリーだったはずですが、見事にスルーされています。

千綾にしてもハルカの義務感から送り返されるのですが、それに対して一切抵抗せずすんなり別れを受け入れているシーンに唖然としました。別れはロード・ムービーにおいて成長を意味する重要な儀式ではありますが、一方でそれは壁で有り、乗り越えるシーンを書かないというのは、どうもこう、一番おいしい食材を棄てているような気がします。

バトルシーンに華やかな効果音が使われたり、京都編の三味線が印象的だったり、他作品に対して傑出して良いOPEDなど、いいところがいくつもあっただけに、ストーリーの荒っぽさが大変残念な作品でした。