ケモノ少女という、ある種のマニアに刺さる設定で始まったBNA。どんなものかと観ていましたが、中盤から何度もあっと言わされました。
- 二人一緒に事故に巻き込まれた少女たちが、同じ病院で治療を受けいずれも変身能力を獲得しているという伏線。
- Netflixから資金を得て全世界展開を見越した作品でありながら「狐と狸は化ける」という日本でしか通じない話をあえて持ってきている戦略。
- 偶然ながらBlack Lives Matterが吹き荒れるこのタイミングで主題が「少数者排斥への抵抗」であること。
- そして演じるということのポリティカル・コレクトネスが吹き荒れるご時世にあわせたかのような「何が美しいかは自分が決める」というセリフ。
日本での反響はそれほどでもなかったようですが、7月から始まった世界配信がどう受け取られるかは興味があるところです。
全体の構成もうまいものでした。中盤まで時間をかけてヒロインをアニマシティになじませ、アニマシティを取り巻く問題をじっくりと描いた後、話を動かしながら伏線をゆっくりと見せていく手腕のおかげで安心してストーリーを追うことができました。
BNAは私にとって2020年の忘れられない作品になりました。